アングルに()ったりして、夢中で撮影していると、咲也くんが苦笑いして、

「チューリップもいいけどさ、一千花センパイを撮ってあげるよ」

 って言って、チューリップを背景に、わたしを撮ってくれた。

 そして――。

「おつぎは、ツーショットね」

 咲也くんに肩を抱きよせられ、自撮りのスマホに向かってスマイル!

 画像を確認したら、わたし、緊張で顔が引きつってるよ……。

 わたしはあらためて、あたりを見まわした。

「――それにしても、ここ本当に広いよね。うちの学校もこれくらい広かったら、もっと花壇を増やせるのに……」
「いやいや、園芸部だけじゃ管理できないでしょ。今でも手一杯じゃん」

 すぐさま咲也くんにつっこまれて、がっくりと肩を落とすわたし。

「ダメかあ」
「でも……この開花パークのスペースを借りて、うちの園芸部でなにか木を育てるとか、そういう計画があるらしいよ」
「ホント!?」

 うれしい情報に、声が弾む。

「御堂センパイに聞いたんだけどね。まだ決定じゃないと思うけど……」

 実現してほしいなぁ。

 期待に胸をふくらませていると――。


 ――ぐぅうううううううう。


 わたしのおなかが、爆音を響かせた。

 まだお昼食べてなかったし、おなかペコペコなんだ。

 咲也くんに聞かれたかな!?