万理花はわたしのふたつ年下で、今日から小学六年生。とっても頭がよくて、名門私立中学のブロッサム学院をめざして猛勉強中なの。
「おはよう、万理花。……にしても、アンタも大変ねぇ。せっかくの春休みも、毎日塾通いだったじゃない?」
同情をこめて話しかけるわたし。
「今ががんばり時だもん。それに、勉強自体は大変じゃないよ。わからなかったことがわかるようになるって、楽しいし」
勉強が楽しいなんて感覚は、これから先も持てそうにない。本当に我が妹だろうか?
ようやく顔をあげた万理花が言う。
「そういえば、お姉ちゃんも春休み中、毎日学校に行ってなかった?」
「そりゃあ、部活があるもん。バスケ部が」
「うっそだあ~。お姉ちゃん、今はほぼ園芸部でしょ? この前、本屋さんで里桜ちゃんに会って聞いたよ~。最近、『園芸部が忙しいから』って言って、バスケ部のほうにあまり顔を出さないって」
里桜め。余計なことを!
「しょ、しょうがないでしょ。顧問の先生に頼まれたから、仕方なくバスケ部と園芸部の掛けもちやってんの! 花を育てるって、手間ひまかかって大変なのに、人手が足りてないのよ」
もっともらしい説明をしたけれど、なんだか言い訳じみたものになってしまう。
万理花はいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「いくら人手が足りないって言ってもさ~、レギュラー確実だったら、その先生もお姉ちゃんに頼まないよね? 運動オンチのお姉ちゃんがバスケ部なんて、最初から無理あったんだよ」
勉強もダメ。運動もダメ。わたしって、いったい……。
「おはよう、万理花。……にしても、アンタも大変ねぇ。せっかくの春休みも、毎日塾通いだったじゃない?」
同情をこめて話しかけるわたし。
「今ががんばり時だもん。それに、勉強自体は大変じゃないよ。わからなかったことがわかるようになるって、楽しいし」
勉強が楽しいなんて感覚は、これから先も持てそうにない。本当に我が妹だろうか?
ようやく顔をあげた万理花が言う。
「そういえば、お姉ちゃんも春休み中、毎日学校に行ってなかった?」
「そりゃあ、部活があるもん。バスケ部が」
「うっそだあ~。お姉ちゃん、今はほぼ園芸部でしょ? この前、本屋さんで里桜ちゃんに会って聞いたよ~。最近、『園芸部が忙しいから』って言って、バスケ部のほうにあまり顔を出さないって」
里桜め。余計なことを!
「しょ、しょうがないでしょ。顧問の先生に頼まれたから、仕方なくバスケ部と園芸部の掛けもちやってんの! 花を育てるって、手間ひまかかって大変なのに、人手が足りてないのよ」
もっともらしい説明をしたけれど、なんだか言い訳じみたものになってしまう。
万理花はいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「いくら人手が足りないって言ってもさ~、レギュラー確実だったら、その先生もお姉ちゃんに頼まないよね? 運動オンチのお姉ちゃんがバスケ部なんて、最初から無理あったんだよ」
勉強もダメ。運動もダメ。わたしって、いったい……。