わたしたちの恋、NGですっ! ~魔力ゼロの魔法少女~

 そういうことか。

 咲也くんとうわさになってるわたしは、桃井さんにとっては邪魔者で。

 だから、わたしをけん(せい)してるんだ。

「応援って言われても、わたし、恋愛とかに(うと)いから……。いきなり言われても、困っちゃうよ」

 なんとか返事して、ちらりと咲也くんに視線を送る。

 商店街の人と雑談していて、こっちで女同士の修羅場になっていることに気づいてないっ!

 まったくもうっ! わたしを守るって言ったくせに!

「作業がぜんぶ終わったみたいね。全員、植草先生のところに集合よ!」

 緊張の走る空気を断ちきるように、小百合センパイが声を張りあげた。


 時間は、お昼の十二時を過ぎたところ。

「みんな、暑いなか、お疲れさま。助っ人も来てくれたし、予定より早く終わったな。ただ、苗を植えて終わりじゃない。これからも商店街の人たちと協力して、立派なフラワーロードにしていこう。じゃあ、今日のところは解散ということに――」

 植草先生が言い終わらないうちに、桃井さんが咲也くんに話しかける。

「ねえ、乙黒くん。お昼いっしょに食べない?」

 甘ったるい声を出して、上目づかいで誘ってる。

 フンだ、わたしには関係ないもんね。

「里桜、なにか食べに行こうか?」

 わたしは、里桜を誘った。

「あたしはいいけどさ……いいの?」

 里桜は、ちらちらと咲也くんたちを見ている。