わたしたちの恋、NGですっ! ~魔力ゼロの魔法少女~

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 休憩が終わっても、桃井さんは帰らなかった。

 結局、助っ人として、作業に参加することになったんだ。

 ――(もも)()(ここ)()さん。

 咲也くんのクラスメイトで、里桜が言ったとおり、陸上部だった。

 桃井さんは、咲也くんのとなりにピッタリくっついて、離れようとしない。

「あちゃ~、完全にロックオンされてるね、乙黒くん。最初からこれ狙いで来たのかもね。偶然、商店街を通りかかった(ふう)をよそおってたけど」

 あきれたように小声で言う里桜。

 さっき、咲也くんと目が合った。

 困り顔で、助けを求めるような感じだったけれど、わたしはそっけなく目をそらしたんだ。

 あれ? わたし、イライラしてる?

 離れたところから、笑い声が聞こえてきて、そちらを見やると。

 蓮くんが、一年生の女の子たちに囲まれて、楽しそうに作業している。

 鼻の下を伸ばしちゃって、まあ、みっともないったら。

 昔、「おれには空手があるから、硬派でいくぜ」とか言ってたくせに。

 咲也くんも、蓮くんも、モテモテで結構ね。

 わたしには関係ないけれど、どうしようもなく胸がずきんと痛む。

「愛葉さん!」

 わたしに向かって猛ダッシュしてきたのは――小百合センパイ!

「きゃっ!」

 ぶつかるかと思って、のけぞるわたし。

 ギリギリで急停止した小百合センパイは、ぐっとわたしに顔を近づけてきた。