あれよあれよと時間は過ぎて。

 ゴールデンウィークに突入して、三日目の朝。

 駅前の開花商店街に、制服姿の園芸部員が集合していた。

 少し遅れてやってきたのは――。

「一千花! やっほー!」
「里桜! 来てくれたの!?」
「バスケ部の練習、休みになったからさ」
「いいの? 貴重な休みに?」
「いいよ、いいよ。予定なんてないもん」

 飛び入りで、里桜が助っ人として来てくれた!

「蓮! 来てやったぞ! てか、おい赤松、寝るなよ」
「ふぁー、ねみぃ」
「おう、おまえら、ご苦労!」

 腕組みしながら、蓮くんが迎えたのは、ふたりの男の子。

 クラブガイダンスにも遊びにきてた、蓮くんの友だちだ。

 ふたりとも水泳部で、歩きながら寝そうになってたのが赤松センパイ、もうひとりが高梨センパイだって、あとから知った。

「よーし、これで全員かな?」

 植草先生が、みんなを見まわす。

「今日は、部員以外にも助っ人で来てもらってる。すごく助かるよ。ありがとう」

 うれしそうな植草先生は、にこやかにお礼を言うと、作業について説明をはじめた。

「町の緑化運動の一環で、商店街をフラワーロードにするのが最終目標だ。すでにプランタ―を設置してあるし、苗も用意してある。えーと、ジニア、ペンタス、キンレンカ、ベゴニア、ロベリアかな。ぜんぶプランタ―に植えてくれ。商店街のみなさんと協力してやるように」
「はい!」

 みんなで元気よく返事する。