「ごめん!」

 深々と頭を下げる咲也くん。

「おれのせいだよな? ブルームスの生命力がずいぶんと落ちてるけど、ブルームガーデンとのつながりが切れたからだろ?」
「えっ……?」

 生命力が落ちてる……?

 そんなことは寝耳に水……どころか、頭をハンマーで殴られたような衝撃で。

 わたしがぽかーんと立ちつくしていると、ブルームスは咲也くんにたずねた。

「それも、魔眼でわかったわけ?」
「ああ。今、ここにいるのもつらそうじゃないか?」

 ブルームスの耳が、元気なく折れまがる。

「はずかしながら、咲也くんの言うとおりだよ。一千花の部屋でゆっくりしていると平気なんだけど、外に出るのは体力をつかってしんどいのよ」

 わたし、てっきり、故郷に帰れなくなったさびしさから、無気力になっていたのだとばかり……。

 ブルームスは、生命力そのものが落ちてたんだ!

「ブルームス、ごめん。わたし、なんにも気づかなくて……」

 うつむいて泣きそうになっていると、ブルームスが頭をぽんぽんしてくれた。

「いいのよ、アタイがだまっていたんだから……。一千花は一年間、戦ってくれたから、あとは楽しく、フツーの女の子として生活してほしかったの」

 ブルームスのやさしさがうれしいけれど、ちょっぴりうらめしい。

 わたしには打ちあけてほしかったなって……。

 いっしょに悩みたかったから……。

 ブルームスは、咲也くんに向きなおった。

「正直、花の女神さまの加護も、日に日に弱まっている気がするの。だから、咲也くんが一千花を守ってくれるなら、アタイも安心できるわ」