わたしたちの恋、NGですっ! ~魔力ゼロの魔法少女~

 まあ、ハプニングはあったけれど、わたしたちは和気あいあいと作業を進めていった。

 新入生の女の子たち全員と話せたし、顔と名前も一致するようになった。

 咲也くんも、すっかり園芸部の雰囲気になじんでいる。

 協力しながら作業して、いっしょに汗を流したのがよかったんだろうね。

 新生・園芸部はイイ感じ!

 植草先生は、目を細めて、みんなをながめてる。

 わたしは、植草先生に近づいていって、こそっとお礼を言った。

「先生、ありがとね。園芸部に誘ってくれて」
「……ん。どうだ? ここで、自分らしくやれそうか?」
「……うん」

 こくりとうなずく。

 バスケ部の練習についていけなくて悩んでいたとき、中庭の花壇でひとり、花をながめていたことがあった。

「花、好きなのか?」

 水やりに来た植草先生に話しかけられたんだ。

 それまで、頼りない先生だというイメージしかなかったけれど、一対一で話してみると、ほんわかした雰囲気のなかに、芯の強さのようなものが感じられた。

 この先生は、信頼できる!

 そんな気がして、自分でも不思議なくらい、自然に悩みを打ちあけていたんだ。

「掛けもちで、園芸部をやってみたら?」

 植草先生に誘われるまま、わたしは園芸部員になり、今では……。