わたしたちの恋、NGですっ! ~魔力ゼロの魔法少女~

 蓮くんはため息をつくと、腕まくりして。

「しゃーねー。乙黒、パパッとやっちまうぞ」
「はい」

 うなずく咲也くん。

 ふたりは軍手をはめて、ジャングルに分け入る。

「うりゃああああああ!」

 空手の練習でもしているみたいに、()(たけ)びをあげながら、雑草をぬいていく蓮くん。

 いきおいはいいけど、ちょっと仕事が雑。あと、うるさい。

 対照的に、だまってクールに、テキパキと雑草をぬいていく咲也くん。

 うん、仕事が丁寧だね。

「イケメンふたりが協力して、汗を流してがんばってる! (とうと)いわあ」

 またも妄想スイッチが入った小百合センパイが、顔を赤らめている。

「小百合センパイ! 妄想してないで! わたしたちも作業しますよ!」

 わたしは小百合センパイの肩をゆらして、妄想スイッチを切ってあげた。

 男子ふたりが雑草をぬいてくれたところの土を、植草先生といっしょに、女子がクワやスコップを使ってならしていく。

「きゃあ! ミミズがいるっ!」

 新入生の女の子たちが飛びあがって、きゃあきゃあ言っている。

 わたしは、ミミズをつまんで、女の子たちから離れた土に逃がしてあげた。

「ミミズがいる土は、いい土なんだよ。ミミズのフンは、土にとって栄養になるし、植物が肥料を吸収しやすい土になるの」