水曜日の放課後。

 新入部員の勧誘期間も終わり、園芸部が新体制になってはじめて、全部員が理科室にあつまっていた。

 部員の顔ぶれは――。

 三年が、部長の門倉小百合センパイと、副部長の蓮くん。二年は、わたしと、掛けもちで活動している青柳さんたち女の子四人。

 そして、肝心の一年生は、咲也くんと、女の子が五人!

 女の子たちは蓮くんを取りかこみ、きゃあきゃあと楽しげだ。

 咲也くん目当てだったとおぼしき女の子たちは、結局、入部しなかった。

「すべて、愛葉さんのせい」
「わあっ! 小百合センパイ! びっくりしたぁ!」

 いつの間にか、わたしの背後にいた小百合センパイが、ぼそっとつぶやいてきたんだ。

「門倉部長とお呼びなさい」
「はぁ。てか、なにが、わたしのせいなんです?」

 小百合センパイはため息をついて、やれやれといったジェスチャーをした。

「乙黒くん目当ての一年生が、みんな他の部に行っちゃったでしょーが」
「それ、わたしのせいじゃないですよね?」
「目のまえで、あんな胸キュンなシチュエーションを見せられたら、そりゃーね」
「アレは!」

 声のボリュームが上がってしまって、「しーっ」と、小百合センパイにたしなめられる。

 クラブガイダンスのときの話だったら、アレは……。