とにかく、晴れて園芸部専属になれたわけだし……。

「やってみたいことがあるんだ」
「やってみたいこと……?」

 首をかしげるブルームスに、わたしはほほ笑んでみせる。

「学校だけじゃなくて、開花町全体をお花でいっぱいにするの! 植草先生に聞いたけど、だれかが町に寄付してくれたらしいのよ。『町の緑化に役立ててください』って。それで、園芸部が使える予算も増えたんだって!」
「ええっ、そうなの!?」
「うん! これから忙しくなるわ。ブルームスにとって、もっともっと心地いい町にしてみせるからね」

 花の妖精・ブルームスは、お花が大好き。

 だから、園芸部でがんばることは、ブルームスの笑顔につながるはず。

 しっぽをせわしなくパタパタさせて、

「うれしいっ! 楽しみにしてるからね!」

 って、大喜びのブルームス。

 決心してよかったあ。

 でも――。

 これで咲也くんと、ますます深く関わることになっちゃう。

 だいじょうぶかなあ?

 新しい目標を見つけて、ワクワクする気持ちはあるけれど、同時に、ぬぐいきれない不安があることも確かなんだ。

 それに、椿センパイにあいさつしないで退部したことも、心に引っかかっていた。