「だいじょうぶ。一千花はイイ子だよ。魔法を失っても、明るく元気に、まっすぐ育ってる。ずっと見てきたアタイが保証するわよ」
「……ありがとね」

 不覚にも、うるっときた。

 ブルームスはいつもわたしの味方だ。

 花の妖精というより、グータラなぽっちゃり猫になった今でも、それだけは変わらない。

「ぐえっ」

 ブルームスが、わたしの胸に乗ってきた。

 すっかり重くなっちゃって。もうっ。

 前足を折りたたんで、(こう)(ばこ)座りするブルームス。

 こうなったらテコでも動かない。わたしの胸の上でくつろぐ気だ。

「……わたしさ、園芸部でがんばってみるよ」

 決心していたことを告げる。

 バスケ部は昨日、正式にやめた。

 勇気を出して、顧問の清水先生に退部届を出したんだ。

 引き止められることもなくて、あっさりと了承されたので、拍子ぬけしてしまった。園芸部との掛けもちを認めてくれた時点で、「やめるだろうな」という予感はあったのだろうけど。

「センパイたちに挨拶したほうがイイですか?」と聞いたら、「おれから言っておくから、その必要はない」と言われて、正直ホッとした。

 キャプテンの椿センパイ、こわいもん。