わたしたちの恋、NGですっ! ~魔力ゼロの魔法少女~

「害虫をー! ぜったいにー! 倒すっ!」

 さけんで、また動きだすと、さらにキレのある演武を披露する蓮くん。

 キラキラと光る汗が、あたりに飛びちる。

 黄色い歓声と、爆笑と、拍手が混ざりあって、ものすごい盛りあがり!

 蓮くんの友だちだろうか、指笛まで聞こえてきた。

 えっと、結局、園芸部の説明に、なんで空手……?

 まあ、園芸部の活動に興味を持ってもらうのが目的だし、盛りあがって大成功! ではあるのかな……?

 演武が終わったので、小百合センパイが、また中央に進んで、

「こんな感じで、私たちは楽しく活動してます。よかったら、このまま見学会に参加してください。参加者には、校内の花壇や畑を案内しますので、昇降口まで移動をおねがいします!」

 声を張りあげると、みんなは立ちあがって、「御堂センパイおもしろかったね」「見学会どうする?」「モチ参加でしょ」と、ワイワイ言いながら移動の準備をはじめた。

 先導するように、小百合センパイと、二年の青柳(あおやぎ)さんたちがそそくさと理科室を出ていく。

 理科室がガヤガヤとさわがしくなるなか――。

「愛葉センパイ、おつかれさまです」

 咲也くんがニコッと話しかけてくれた。

「あはは。ありがと、乙黒くん」

 苦笑いしながら返事すると、汗をふきながら蓮くんが近づいてきた。