少し落ちつきを取りもどしたわたしは、なんとかアドリブで説明をはじめた。

「えっと、校内にたくさん花壇やプランターがありますから、花の種や苗を植えて育てます。あと、小さいですけど、畑もあるので、野菜やくだものも育てて収穫します」

 すると、咲也くんがたずねてきた。

「活動日はどうなっていますか?」
「全員であつまるのは水曜日だけで、あとは自由参加です。週一日でもいいし、毎日活動してもいいです」
「じゃあ、他の部と掛けもちしてもいいんですよね?」
「もちろんです。この学校は、掛けもちOKです」

 咲也くんが合いの手を入れてくれるから、とっても話しやすい。

「――では、活動内容の説明は、以上です」

 咲也くんの言葉で、ハッと段どりを思いだして、わたしは声のボリュームを上げた。

「つぎは、部長の門倉小百合センパイに、花の魅力について語ってもらいます」

 ここからが本番。

 小百合センパイのアピールタイムだ。

「では、どうぞ!」

 呼びこみをすると、小百合センパイが立ちあがり、スケッチブックを手に、前に出てきた。

 わたしと咲也くんは窓ぎわにどく。

 小百合センパイは、丸顔にボブのストレートの髪型がよく似あっていて、目もくりっとしていて、かわいらしい。

 マジメで、部長としての責任感も強くて、園芸部専属で活動している。