わたしたちの恋、NGですっ! ~魔力ゼロの魔法少女~

「テュポーンよ、おまえも知ってるだろ? 魔界軍から離れて、のんびり地上で暮らしてる魔物がいることは。人間の女の人が、そんな魔物と契約して、魔女になるケースがある。旅先の北海道で、おれは魔女に会った。魔眼が引きあわせてくれたんだろうな」

 そこまで言って、咲也くんは肩をすくめた。

「魔女といっても、悪い人じゃないぜ? 魔物からもらった闇の魔石をつかって、若返りの薬をつくってる人だった。その魔女が教えてくれたのさ。魔眼の力を強くする方法を。それから――」

 咲也くんは、わたしのほうを指さした。

「一千花センパイにあげたネックストラップに、【身の安全を守る】おまじないをかけてもらった」
「おまじない……?」

 きょとんとするわたしに、やさしくほほ笑む咲也くん。

「おれは、一千花センパイを守る印をつけたし、魔力のこもったストラップもある。それに……一千花センパイの匂いだって覚えてる」

 あっ、おでこにキスと、ローズマリーのシャンプー……。

「それだけあれば、この魔眼が一千花センパイを見失うことはないんだ。どこに連れていかれても、魔眼が導いてくれる」
「そんなバカなっ!」

 テュポーンは絶叫するや、舌をにゅーっと伸ばして、わたしの首に突きつけた。

 舌先が、針みたいになってるっ!