◆
「おはよう、一千花センパイ」
咲也くんは、わたしより先に来ていた。
休みあけの朝八時――開花第一公園。
公園の真ん中にある、巨大なクスノキの下で、咲也くんは待っていた。
「咲也くん、おはよう。一週間ぶりね」
向かいあう、わたしたち。
なんだか照れくさい。
「わたしの呪いを消してくれたこと、どうして言ってくれなかったの?」
じろりと上目づかいでたずねると。
咲也くんは頬をかいて、
「やっぱりブルームスにはわかっちゃうよな」
と、苦笑いした。
「まだ用心が必要なの?」
わたしがたずねると、咲也くんは眉根をよせた。
「呪いは消せたけど、気になることがあるんだ」
「気になること……?」
こくりとうなずく咲也くん。
「観覧車を止めたり、立て看板を飛ばしたりした、あの強風……。呪いが一時的に、とてつもなく強くなった。あれはザコの魔物のしわざじゃないよ」
「えっ……?」
「強力な魔物のせいだ。厄介だよ。呪いを消しても、そいつはまだ一千花センパイをねらってる」
「まだねらってるって、わかるの?」
「ああ、一千花センパイのことを遠くから見てるからな」
「ええっ!?」
背中がぞくりとして、あたりを見まわした。
特に異常はないし、そもそも、わたしには魔物は見えないけど……。
「おはよう、一千花センパイ」
咲也くんは、わたしより先に来ていた。
休みあけの朝八時――開花第一公園。
公園の真ん中にある、巨大なクスノキの下で、咲也くんは待っていた。
「咲也くん、おはよう。一週間ぶりね」
向かいあう、わたしたち。
なんだか照れくさい。
「わたしの呪いを消してくれたこと、どうして言ってくれなかったの?」
じろりと上目づかいでたずねると。
咲也くんは頬をかいて、
「やっぱりブルームスにはわかっちゃうよな」
と、苦笑いした。
「まだ用心が必要なの?」
わたしがたずねると、咲也くんは眉根をよせた。
「呪いは消せたけど、気になることがあるんだ」
「気になること……?」
こくりとうなずく咲也くん。
「観覧車を止めたり、立て看板を飛ばしたりした、あの強風……。呪いが一時的に、とてつもなく強くなった。あれはザコの魔物のしわざじゃないよ」
「えっ……?」
「強力な魔物のせいだ。厄介だよ。呪いを消しても、そいつはまだ一千花センパイをねらってる」
「まだねらってるって、わかるの?」
「ああ、一千花センパイのことを遠くから見てるからな」
「ええっ!?」
背中がぞくりとして、あたりを見まわした。
特に異常はないし、そもそも、わたしには魔物は見えないけど……。


