すぐに開花中学校が見つかった。
視線を横にすべらせる。
わたしの家がある東地区の住宅街が、豆つぶみたい。
はるか遠くの山々も、パノラマ風景の一部になってる。
でも――。
わたしには、この眺めはある意味、見なれたものだった。
魔法少女アイカになって、自由に空を飛びまわれたころ、見ていた景色――。
「なつかしいな……」
ぽつりと、咲也くんがつぶやいた。
「おれ、魔力で空を自由に飛べたんだよな……」
「わたしも……」
二年前のあの日まで、わたしたちは飛べたんだ。
「おれは、この町を……世界を闇に染めあげようとしてたんだな。こんなに美しい世界を……。ずっと遠くまで見わたせたのに、なんにも見ようとしてなかった」
「咲也くん……」
「一千花センパイはどう? フツーの女の子に戻って、町を見下ろした感想は?」
咲也くんにたずねられ、わたしは首をかしげる。
「うーん、見え方は同じかな。花がたくさんあって、みんなそれぞれの生活と笑顔があって……。わたしの大好きな町! それは変わらないよ。今はもう、空を飛べないけど、今日こうして、咲也くんと、この景色を見られてうれしいよ」
ほほ笑みあう、わたしたち。
視線を横にすべらせる。
わたしの家がある東地区の住宅街が、豆つぶみたい。
はるか遠くの山々も、パノラマ風景の一部になってる。
でも――。
わたしには、この眺めはある意味、見なれたものだった。
魔法少女アイカになって、自由に空を飛びまわれたころ、見ていた景色――。
「なつかしいな……」
ぽつりと、咲也くんがつぶやいた。
「おれ、魔力で空を自由に飛べたんだよな……」
「わたしも……」
二年前のあの日まで、わたしたちは飛べたんだ。
「おれは、この町を……世界を闇に染めあげようとしてたんだな。こんなに美しい世界を……。ずっと遠くまで見わたせたのに、なんにも見ようとしてなかった」
「咲也くん……」
「一千花センパイはどう? フツーの女の子に戻って、町を見下ろした感想は?」
咲也くんにたずねられ、わたしは首をかしげる。
「うーん、見え方は同じかな。花がたくさんあって、みんなそれぞれの生活と笑顔があって……。わたしの大好きな町! それは変わらないよ。今はもう、空を飛べないけど、今日こうして、咲也くんと、この景色を見られてうれしいよ」
ほほ笑みあう、わたしたち。


