否定しつつも、「わたし、意外とそういうの気にするタイプかも」と思った。

 咲也くんには、お見通しだったみたい。

「あっ、気にしてくれてるってことは、おれ、脈ありかな? どんどん攻めちゃっていい?」

 咲也くんは顔を近づけてきて、にんまりした。

「~~~~っ」

 またそうやって、わたしの心をかき乱すんだからっ!

 頬に熱を感じながら、今度は、わたしが咲也くんの手を引いていく。

「ほら、急ぐわよ」
「あっ、うん」

 入園料は無料だけれど、さすがに観覧車は一人二百円かかる。

 受付で、わたしが二人分の料金をはらった。

 咲也くんが「おれが出すから」と渋ったけれど、センパイとしては、おごられてばかりはイヤだよ。

 家族連ればかりの列にならぶと、それほど待たずに、わたしたちが乗るゴンドラに案内された。

 チューリップの形を()した、赤いゴンドラ。

 なかに乗りこむと、結構せまい。

 昔、家族で乗ったことがあるけど、もっと広かった記憶がある。

 肩を寄せあうようにして座っていると、ゴンドラはゆっくりと上昇をはじめた。

「おおっ、上がってく、上がってく」

 はしゃいだように言う咲也くんが、なんだかかわいくて、頬がゆるむ。

 いつもクールだから、年相応な男の子の一面を見ると、安心するんだよね。