わたしたちの恋、NGですっ! ~魔力ゼロの魔法少女~

「ん……? 一千花センパイと、おれの……なに?」

 わたしの顔をのぞきこむ咲也くん。

 わわっ! わたしと咲也くんの距離が、ぐぐっと縮まったなんて、面と向かって言えないよっ!

 かーっと熱くなった頬をかくすように、わたしは背を向けた。

「なんでもない、なんでもない!」
「なんだよー、言いかけてやめるのズルいよ」
「いいの! いまのはナシ!」
「ちぇー」

 咲也くんは不満げだったけれど、それ以上は無理に聞いてこなかった。

 わたしは、あらためて咲也くんに向きなおる。

 咲也くんは、わたしのことをもっと知りたがってる。

 もっと、咲也くんを信じてもいいんだと思う。

 わたしも、咲也くんのことをもっと知りたいから……。

 だから――。

「咲也くんがうしろ向きだっていうなら、わたしなんか、もっとうしろ向きだよ」

 すなおに自分のキモチを、目のまえにいる咲也くんにぶつけたい。

「わたしね、自分のことを元気で明るい性格だと思ってた。咲也くんがいつだったか言ってくれたように、太陽のように明るくて……」
「そのとおりだよ。まぶしいくらいに……」

 うなずく咲也くん。

「魔法少女アイカになって、花の妖精とも友だちになれて……。自分に自信がもてたんだ。開花町を、世界を守ってるわたしって、すごいんだって……」