売店には、お花のソフトクリームがずらり!

 咲也くんが選んだのは、ラベンダーソフト。ほんのり紫色で、ラベンダーのエキス入りなんだって。

 わたしは、バラソフトにしたよ。かわいいピンク色で、バラの香りがする!

「うん、ラベンダーソフトおいしいよ」
「わたしのバラソフトもおいしいよ。咲也くん、ありがとうね」

 お礼を言うと、咲也くんはニコッとして。

「いいよ。そのかわり……一千花センパイの、一口ちょうだい」

 ええっ!? わたしは構わないけど……。

 それって……間接キスになるよね!?

 とまどっていると、咲也くんは体を乗りだして、ぐっと顔を近づけてきた。

 そして、わたしが持っているバラソフトにくちびるがふれて……。

 わたしは、ぼーっと咲也くんを見つめていた。

 パクッと一口食べると、体を引いた咲也くんのくちびるにピンク色のクリームがついてる。

「うん、甘くておいしいね」

 ぺろっと舌で、くちびるをなめとるのが子どもっぽくて、ちょっとかわいらしい。

「わたしも一口いい?」

 自然と、おねだりしてしまっていた。

「もちろん」

 スッと、ラベンダーソフトを差しだす咲也くん。

 わたしが着ているワンピースと同じ、ラベンダー色のソフトクリーム。

 ドキドキしながら、わたしもパクッと一口。