健はベッドの中の梓をジッと見つめていた。


「まだまだこれから生き続ける可能性もあるってことだろ」


健の言葉に梓が大きく目を見開いた。


痩せてしまった梓は目だけが大きくて、それを見開くと目玉がこぼれ落ちてしまいそうに見える。


それから梓はふふっと声を漏らして笑った。


「うん。そうだね」


その笑顔に海斗はホッと胸をなでおろす。


梓のつらそうな顔は見ていたくない。


「それに、もう1度女神様に会えるかもしれない。2回でも3回でもお願いをすればいい」


海斗は思いつくままに言葉をつなげる。


「何度でも予知夢を見て、俺たちが解決してやるから」


「うん。そうなったらいいよね」


梓は夢見るように目を閉じる。


その右手がゆっくりと浮き上がり、海斗の手を握りしめた。