一瞬にして海斗は梓の話を思い出していた。


真っ白な空間で女神さまと出会ったときの話し。


ここに女神様がいるんじゃないかと錯覚しかけたとき、ベッドの上に横たわっている梓の姿を見つけた。


梓は家とは違い、薄いピンク色のパジャマを着ていて、そこだけ色がついているように見えた。


梓は目があった瞬間微笑んでくれた。


しかしその細い腕は点滴で繋がれていて、点滴の横にはよくわからない機械が置かれている。


その様子を見て海斗は絶句してしまう。


昨日会ったばかりでほとんどなにも変わっていないはずなのに、場所や機材が変わるだけで目の前にいる梓は病人になってしまった。


1日にして雰囲気が変わることに愕然としてしまう。


「2人とも来てくれたんだ」


ベッドの上に座ろうとする梓を、男が止める。


「横になっていたほうがいいです」


その言葉に梓は素直に従った。