病院はもちろん、行き交う人々も車も緑も池もない。
ただ、真っ白でなんの音も聞こえてこない世界だ。
梓は途端に寒気を感じて身震いをした。
しかしこの空間は寒くも熱くもない、ただ恐怖心から震えたのだ。
両手で自分の体を抱きしめるようにして周囲を見回す梓。
まさか自分はもう死んでしまったんだろうか?
こんなにあっけなく、なにも成し遂げられないまま、何者にもなれないまま。
病室で泣きじゃくっていた両親の姿を思い出して胸が痛くなる。
ごめんねお父さんお母さん。
こんなに弱く生まれてしまってごめんなさい。
不甲斐なくて下唇を噛みしめる。
だけど両親はきっと自分たちのことを責めるだろう。
丈夫な体に生んであげられなくてごめんね。
助けてやれなくてごめんな。
そんな風に謝罪する姿が安易に浮かんできて、更に悔しくなった。
せめてそんなことないよ。
お父さんとお母さんのせいじゃない。
と言ってあげたい。
でももう無理なんだ。
ただ、真っ白でなんの音も聞こえてこない世界だ。
梓は途端に寒気を感じて身震いをした。
しかしこの空間は寒くも熱くもない、ただ恐怖心から震えたのだ。
両手で自分の体を抱きしめるようにして周囲を見回す梓。
まさか自分はもう死んでしまったんだろうか?
こんなにあっけなく、なにも成し遂げられないまま、何者にもなれないまま。
病室で泣きじゃくっていた両親の姿を思い出して胸が痛くなる。
ごめんねお父さんお母さん。
こんなに弱く生まれてしまってごめんなさい。
不甲斐なくて下唇を噛みしめる。
だけど両親はきっと自分たちのことを責めるだろう。
丈夫な体に生んであげられなくてごめんね。
助けてやれなくてごめんな。
そんな風に謝罪する姿が安易に浮かんできて、更に悔しくなった。
せめてそんなことないよ。
お父さんとお母さんのせいじゃない。
と言ってあげたい。
でももう無理なんだ。



