暗黒ギフト2

しかし全く言うことを聞いてくれない。


屋上へ行きたいとか、地上へ降りたいという願いなら簡単に叶うのに、どう頑張ってみても病室に入ることができないのだ。


『なんで……!?』


窓の外から中の様子を伺うと、白衣を着た医者が心臓マッサージをしているところだった。


『梓しっかりして!』


母親の悲痛な叫び声が窓の外まで聞こえてくる。


嘘でしょ。


待ってよ。


私このまま死ぬの……?


信じられなかった。


だって、マンガの中では24時間の猶予があって、主人公はその間に飛び回って遊んでいて……。


そこまで考えて梓は全身から力が抜けていく感覚に襲われた。


あぁ、そうか。


あれはマンガの世界で、現実じゃないんだ。