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梓の友人を助けるためにできること。


それは予知夢を見たらできるだけ早く連絡してもらい、動けるようにすることだった。


男にギフトを渡してもらうよりも確実に、そして早く。


そう考えた時にできることは互いに連絡先を交換することだった。


海斗がキッズスマホを取り出すと、梓は嬉しそうに微笑んだ。


「よかった。持ってたんだね」


「一応は」


ドギマギしながら番号交換をして、大切そうにスマホをズボンのポケットに入れた。


「なんだよ、いつの間に買ったんだ?」


病院を出てから健に聞かれて海斗は舌を出した。


男に連絡先を教えてもらってから、何度も両親におねだりをしていて、ようやく買ってもらうことができたのだ。


できれば梓の番号を一番最初に登録したかったのだけれど、両親の連絡先を入れるのが先になってしまった。


「でもこれでひとまず安心だな」


「あぁ」