聞かれて海斗は頷いた。


なかなか友人ができなかった梓は転校生としてやってきたクラスメートのイジメに参加した。


そうすることでイジメ友達ができて、孤独から開放されることができたからだった。


だけどそんなことでできた友達は本当の友達じゃなかった。


梓がまた学校へ行けなくなってしまったとき、イジメ仲間の彼女たちは誰1人として御見舞にこなかった。


その程度の関係だったのだと、梓は身を持って痛感したのだ。


「亮子のことなの。転校生って」


「え……」


海斗と健は目を見開いて驚いた。


亮子が転校生だったということすら知らなかった。


「だけど、亮子は今お見舞に来てくれたりしているんだよ。2人に過去のことを話した後、どうしても謝らなきゃと思って、連絡をとったの。そしたら亮子すんなり許してくれて、まるであんなことなかったみたいに接してくれて……」


そこまで言って胸が詰まったように言葉を切った。