先程まで騒がしかった下級生たちはお目当ての商品を購入して店内からいなくなっていた。


今お店の中には6年生の男子が1人いるだけで、店先にも生徒の姿はない。


これなら安心か……。


海斗がそう思ったときだった。


「おい!」


健に腕を掴まれて振り向いた。


「なんだよ」


と、文句を言いながら健の視線の先を追いかける。


そこにいたのは5年生の女子3人組だったのだ。


隣のクラスにいる3人組だから、顔をみればすぐにわかった。


海斗と健は目配せをする。


きっと梓はこの3人組のことを夢に見たに違いない!


咄嗟に海斗の足が動いていた。


続いて健も歩き出す。


なにげなく3人組と通り過ぎて、海斗と健は立ち止まった。