専門学校時代の友達のかなちゃんに相談したらすぐに辞めるべきだと、間に入って助けてくれた。

だけど、退職届を提出した時には心も身体もボロボロになっていた。

仕事を辞めて1週間は何もやる気が起きず、
ボーっとTVを観て過ごしていた。

その時ふとTVから聴こえてきた歌声。
なぜか懐かしい気持ちがした。
気付いたら涙がポロポロ溢れ止まらなかった。

YUKIという歌手の歌だった。

何故か儚く悲しく切ない気持ちになった。

♪〜
  君と出逢えた季節は瞬く間に通り過ぎ
  
  気づけば何度目かの春が来た

  放課後の音楽室
  君の笑い声 
  長い髪に 桜の花びらが舞い降りて

  そっと触れた瞬間に

  全ての世界が色鮮やかに輝き出した

  春、桜舞い散る季節に
  あの頃の僕らは2度と戻れない

  桜の花びら舞い散る

  君は今も追いかけているのだろうか
  
  君が夢中で追いかけた桜の花びら
  
  今は手に入れたのだろうか

  いつか君に逢えたなら
  もう二度と手離さないと

  僕はひとり桜に誓う
               〜♪

ピアノの伴奏と気怠く歌う低いビブラートの切ない声がなぜか耳に響いて

もう枯れたと思っていた涙が溢れてきた。

無性に地元が懐かしくなり帰りたいと
迷ったけれど、
あんなに応援して心配してくれた母に顔向けできないと、心配させられないと、帰る決心も付かず。

今はのらりくらりと日々の生活を支える為だけにバイトを3つ掛け持ちしながら毎日忙しなく働いている。