駅を出てしばらく商店街を2人手を繋いで歩いていると、人だかりのあるお店に気付く。

「ここは?ケーキ屋さん?」
気になって歩くのがゆっくりになる。

「プリン専門店みたいだ。買って帰るか。」
そう言って小春を連れて列に並らぶ。

「修哉さん、並ぶのとか待つの苦手だったじゃないですか?」

「もうそんなガキじゃないし、平気だよ。」

「いろんな種類があるみたいです。どれにしよう。迷っちゃいますね。」
ショーケースには何十種類ものプリンが並んでいて迷う。

「修哉さんは?何にします?あっ、甘いの苦手ですよね?」
そういえばと思って言うと、

「そんなに食べないだけで平気だ。
小春が食べたいの買えばいいよ。」

修哉さんが一緒に並んでプリンを買うってなんか不思議な感じ。

「こう言う女子力高めなとこに修哉さんて似合わないですよね。
向こうで待っててくれていいですよ。」

「どう言う意味?
悪いけど俺は小春から離れないよ。」
握った手をぎゅっとされる。

「俺が今日、どんだけ心配してたか分かってないでしょ。」
呆れ顔で小春を見て言う。

「大丈夫ですよ。
お父さん、もう私も大人ですから1人で帰れます。」
くすくす笑にながら言う

「…お父さんって言うな。」
修哉が不貞腐れて呟く。

「ありがとうございます。
心配してくれて。
それに
今回の事いろいろありがとうございました。
修哉さんがいてくれたから、頑張れたんです。
すっごく感謝してます。」

「別に礼なんて要らない。
小春が元気になって毎日笑って生活出来ればそれでいい。」

「修哉さん、大好きです。」
満面の笑みで修哉を見上げて、小さく呟く。

「こういう所でそう言う事言うな。
キスしたくなるだろ。」
片手で口元を押さえてそっぽを向く。

修哉さんが照れてて可愛い。と、内心思って幸せな気持ちになる。

結局迷いに迷って、小春はコーヒーと抹茶、苺にプレーン味を選び購入した。

「食べるのが楽しみです。早く帰って夕飯の支度にしましょ。」

るんるん気分で帰路に着く。