このままだと確実に余ってしまうだろう。 (もったいない…) 「どうせ食べないなら、お腹を空かせた人たちに用意してあげたらいいのに…」 「…ふむ、確かに君の言う通りだな。参考にさせてもらおう」 「…っ」 振り向くといつの間にいたのか、第二王子のクフォードがいた。 魔法で気配を消していたのだが、見抜かれてしまったらしい。 日頃、鍛錬をしている人間は気配に敏感なのだろう。 (もっと、厳重にしとけばよかった…) 一番気づかれたくない人に気づかれてしまったが、後悔しても遅い。