それよりも大事なのは、あの第二王子だ。

それなりの魔力量は持っていたが、多分あの身のこなしは剣術や体術を得意としているんだろう。

隙がなく、一秒たりとも気を抜いていない。

第二王子自身は妹の王女のことについては、あまり覚えていないだろう。

何しろ王女が誘拐された時、彼は五歳だった。

だが、最初から五歳の記憶力をあてにはしていない。

(…それでも、他の家族から何か聞いているかもしれない)

「…ここが、Aクラスの教室になります」

ズィウン先生が扉を開けて、それに続く。

中は教室とは思えないぐらい豪華なつくりになっていた