罪人二人は怒鳴られても殴られても、口をとめない。 「ごほっ、はや、く、俺、たちの、マリスを、返、せ…!」 「はや、くっ、家族、また、三人、で、暮らす、のっ」 ネロリナは、手を握りしめ勢いよく立つと二人を怒鳴る。 「いい加減に、目を覚ましなさいっ」 その声に全員が静かに、口を閉じる。 罪人二人も、口を噤む。 「私はっ、あなた達の娘じゃないっ。マリスじゃないっ」