王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます



「もう逃げないよ。そばにいる」

「あぁ…」

王妃(母)と国王(父)は、そんな子供たちの姿に涙を流さずにはいられなかった。

もう見ることの叶わないと思っていた光景が、目の前に広がっているのだ。


騎士や魔術師たちは、涙を流さぬよう必死に耐えていた。


ーー何やら、扉の向こうが騒がしい。

誰かが廊下を走っているようだ。