王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます



ネロリナは微笑む。

ここ一週間で、笑顔になることも増えた。

「血はつながってなくても、こんな人が家族だったらって。家族に愛されてみたいって思った」

一人掛けのソファに座っていたクフォードは、ネロリナの前でしゃがんで抱きしめる。

「愛してるに決まってるだろう。誘拐された時、どんなに悲しかったか」

「うん…。ごめんね」

疑ってごめん、幸せになることから逃げてごめん。

すぐに、ただいまって言えなくてごめん。