王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます



リィラはどんどん、表情を険しくしていく。

そして繰り返し、私がこんなところで終わるはずない、私は特別なんだからと。

親指の爪を噛んで、荒い息を繰り返す。

「どうせ終わるくらいなら…っ、あんたたちも巻き込んでやるわっ」

そう言って、唐突に手のひらを上に向けて叫ぶ。

「今こそお前の力を開放するときよっ。ここに姿を現し、すべてを焼き尽くしなさいっ。

黒龍(ブラックドラゴン)、召喚っ」

リィラの手首に嵌められたリングが、怪しい光を放つ。