強い口調とは裏腹に、瞳は懇願するように揺れていた。 それに不器用な笑みを返す。 「そういっていただけて嬉しいです。…でもこれ以上、学園にいるつもりはありません」 そこで、曲が終わる。 ルージュの家族との縁もこれで終わりだ。 (夢から醒めるときが来た) 「ありがとうございました…」 お辞儀をしながら、誰にも聞こえない声でお礼を言う。