唐突に思い出した記憶は、とても鮮明だった。 幼い私(王女)が想像していた家族は、目の前にいる二人と 今の面影がある二人の兄王子だった。 (そうか…、やっぱり私は…) 知らずのうちに涙が溢れそうになるが、俯いて耐える。 「クフォードが君のことを話していたよ。とても優秀な子がいると。 これからも、精進しなさい」 「はい…。ありがたいお言葉、感謝いたします。…御前を失礼いたします」