「うん。ついてきてくれてありがとう」 カーラは一礼して、人混みに紛れていった。 一人になった途端、不安に駆られるがなんとか耐える。 ベランダに出られる窓の近くに立ち、会場全体を眺める。 ーーふと視線を感じて、見渡してみるとそこにはリィラがいた。 貴族らしく着飾ったリィラは、普段の雰囲気と少し違う気がした。 距離があるので、具体的になにが違うかは分からないが。