「…では、そろそろ王城へと参りましょう」 「そうだね…」 カーラはいつもの顔に戻ると、ルージュを馬車へと誘導する。 学園の前に停まっていた馬車は、遠目からでもわかるほど大きく豪華だった。 「殿下は本当にルージュ様を大事に思ってらっしゃるのですね」 カーラにそういわれるほど、クフォードは張り切ったらしい。 (こんなに目立つ馬車にしなくてもよかったのに) こんな豪華な馬車から出てくるのがルージュだなんて、不釣り合いだとしか思われないだろう。