「単刀直入に聞こう。君じゃないのか?書類を届けてくれたのは」 「…どうしてそう思うんですか?」 「自分でも分からないが、何となくそう思えるんだ」 「私じゃないですよ。どうやって私が書類を盗むんですか」 「君ならできるだろう。君の実力は計り知れない」 手を組んで、何もかもを見透かすようにルージュを見つめる。 「何の根拠もないですね」 「あぁ、そうだな。…これは俺の勘だ」