「ふぅ。まったく兄上は…」

「何かあったんですか」

「実は、また君に会いたいと言い出してな。

それを必死に宥めたんだ。だからここに来るのが遅れた」

「なるほど…、そういうことでしたか」

クフォードは紅茶を飲んで一息つくと、早速だがと切り出す。

「シュレイン公爵の件は聞いているな?」

「はい、学園はその話題で持ちきりだったので」