「っ、で、でもっ」 「公爵家だって、何もしないで公爵の爵位になったわけではないでしょう。 あなたのご先祖様が功績を残したからこそ、爵位を賜った。 あなたは、何か一つでも、誰かのために何かをしましたか?しようとしましたか?」 「……っ」 レイチェルは静かに首を振る。 (たぶん彼女は、ただ純粋だっただけなのだろう) 貴族が特別だと育てたのは、レイチェルの父。