座っていた椅子から離れ、レイチェルと対峙する。 「あんたねっ。お父様に何したのよっ」 「なんのことですか」 「っ、あんたがっ、お父様に何かしたからこんなことになったんでしょっ」 レイチェルは髪を振り乱し、いつもきれいに化粧されていた顔もボロボロ。 肌も爪もいつもの輝きを失っていた。 「お父様がっ…、あんなことするわけないわっ。いつも優しいお父様が…っ」 家族だけには優しかったのだろう。