彼女の心の中を、覗ければいいのに。 少しでも、何かの力になりたいのに。 「…私は、もう失礼しますね」 ルージュは、三人を置いて去って行ってしまった。 残された三人は何の力にもなれない無力な自分に、ただ打ちのめされるしかなかった。 ルージュは、三人の思いにどこか嬉しいと思ってしまった自分を無視し続けるしかなかった。