気持ちに応えることは出来るわけがないのだから。 「あの…、私、やっぱり…」 「ルージュちゃんさ、自分が幸せになんてなれるわけないって思ってるよね?」 ルシアンが唐突にそんなことを言い出す。 「というより、幸せになることを避けてるっていうかさ」 「そう、見えますか…?」 「うん…。誰にだって、幸せになる権利はあるんだよ?」 膝の上に置いていた手を握られる。