「まぁ、少しだけなら…」 「ほんとっ!?ありがとうっ」 キースは満面の笑みで立ち上がる。 「じゃあ、早速行こうかっ」 エントランスホールを出ると、ダランシェ公爵家の紋章が入った馬車が止まっていた。 「大きいですね…」 「まぁね。公爵家は周りに侮られないように、常に人の一歩前を歩かなきゃいけないから」 「…そういうものですか」