「お金は僕が出すよ」 「あなたに払ってもらう理由はありません」 「…これは、デートのお誘いだよ。男が払って当然でしょ?」 首をかしげて、にっこりと微笑む。 ルージュの手を取って、片膝をつく。 「ルージュさん。僕と、デートしてください」 「っ…!?」 不覚にも、少し胸が高鳴ったことは口が裂けても言えない。 (いや、これはただ驚いただけ。ただ、それだけ…)