「ルージュちゃん、ちょっといいかな」

キースがいつになく真面目な顔で声をかけてきた。

「あのさ、気分転換に買い物でも行かない?」

「…いえ」

「でもさ、王都に来てから半年ぐらいしか経ってないでしょ?

おしゃれな服屋とか、案内するからさ」

「…そんなお金ないし、おしゃれに興味もないので」

キースは眉を下げて困った顔になった。