「兄上、こちらがルージュ嬢だ」 クフォードが声をかけると、その人物はこちらを振り返る。 予想通り、その人物の瞳は透き通ったエメラルドグリーン。 クフォードが兄と呼ぶ人物。つまり… 「ルージュ嬢、紹介する。俺の兄で」 「第一王子のアルフェン・ランベルトだよ。よろしくね、ルージュ嬢」 「っ…」 (私の、もう一人の…、兄かもしれない人)