「いいえ、あなたは隠しているわ。私では把握しきれない力を秘めている」 「そんなものはありません」 フォルテ先生は、ルージュを射貫くような視線で見る。 「なら、会話を盗み聞きしてたっていう噂は?噂を鵜呑みにはしてないけど、 あなたならバレないようにすることも簡単でしょう」 「また取り調べですか?」 「…今はテスト中でもないし。ただの世間話よ」 そう言って、優雅にカップを傾けているが少し空気が張り詰めている。