「…別に、そんなことはないですが」 目の前にいい香りがするお茶が置かれる。 「この前は悪いことしたわ。テストの邪魔をしちゃって」 「いえ、得体の知らない奴を警戒するのは当たり前です」 「得体の知らない奴って…、自分で言う?」 フォルテ先生は、口に手を当て笑う。 こういうところは、フォルテ先生もやっぱり貴族なんだと感じる。 「でも、生徒の邪魔をするなんて教師として失格だったわ。ごめんなさい」